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オンライン特別連続講座「ワイルドライフマネジメント」質問へのお答え(第3回実施分)

2024/03/08

第3回「シカ管理――知床・イエローストーン・ノルウェー」の質問と回答です。

Q1 二ホンジカのルーツ,多重渡来仮説で朝鮮半島からのルート20~13万年前というのはどうしてわかるのですか、遺伝子分析ですか?
A1 動物地理学と古生物学の調査からです。古生物学による、現存する大型獣の日本列島へ移入は最近の50万年間の間に少なくとも2回生じています。
後期更新世後期の最終氷期(ウルム氷期:約6万~1万年前)に大陸北部~サハリンルート。ムース(ヘラジカ)や絶滅したバイソン中国中部の温帯森林動物群は、更新世中期の終わりころ(20~13万年前)大陸~朝鮮半島ルートで渡来したと考えられています。

Q2 なぜメスの自然死する割合が小さいのか分からないので、教えてください。
A2 雌雄とも晩夏から初秋に脂肪を蓄積しますが、雄は発情期の秋に採食よりも雌を獲得するための活動(雄通しの戦い)などにエネルギーを費やすため冬が長引くと脂肪蓄積を消費しつくのに対し、雌は脂肪蓄積に大きな変化がないままで越冬できるため、雌の自然死亡が少ないです。

Q3 シカの生息地にあり、シカの嗜好性が高い希少植物の保全は、シカの生息数管理以外では難しいでしょうか?
A3 シカの侵入を防ぐ柵の設置が有効です。

Q4 植物の回復にかなり時間がかかることはわかりましたが、では、どれくらいの期間を想定して、管理計画を立てると良いのでしょうか? また、一度人の手で管理を始めてしまうと永久に管理をしないといけないという事でしょうか? いつか、自然にバランスがとられる時期がきますか?
A4 洞爺湖中島の例ですと、更新可能な場所でおよそ30年間シカを排除すれば,更新した樹木の多くは胸高直径6cm以上に生長し,その後シカが侵入したとしても,その多くは残存し,森林が維持される可能性が高いと考えられています。
参考:宮木雅美(2011)森林科学 61:11-16

Q5 北海道のシカは昭和初期までに絶滅寸前になったということだが、日本人の入植以前はアイヌによる狩猟とオオカミの捕食によりバランスが取れていたのでしょうか?
A5 和人が入植して北海道を開拓する以前の原生自然環境でオオカミが存在した環境下であっても、豪雪によってシカの大量死亡が起こって、激減したために、シカを食料とするアイヌの人々が餓死した記録が残されています。現在の生態学では、自然界は平衡ではなく、非定常であると理解されています。

Q14 今後、日本では狩猟圧の増加に加え、オオカミの導入も検討すべきなのでしょうか? 私個人としては、どんな影響がでるか分からないので、一度絶滅してしまった動物を簡単に再導入しない方がいいと考えています。鳥類のように日本との移動が確認されていたものなら、まだ理解できます。オオカミの捕食圧が高くないのであれば、狩猟で適切に管理していく方が、現状いい方法だと思います.
A14 シカの個体数管理のためなど、役割を期待してオオカミを導入するという考えには反対です。オオカミ導入の効果が予測つかないからです。狩猟や駆除を強化して管理するしかすべはありません。ただし、失われた生態系の構成要素として復元するという考えには一理があると思います。ですが、導入した場合、オオカミは分布を拡大し、生息数を増加させます。今度はオオカミの個体群管理が求められます。在来の動物ですら管理できないのに、さらにオオカミまでという困難な課題に直面するかもしれません。慎重にすべきでしょう。

Q18 ①ベルトトランセクト法に関連して、毎木調査の際プロットの形は、帯状のほかに円形や方形があると認識していますが、それぞれどういった場面で使い分けるのがいいのでしょうか? ②日本でオオカミが導入されない一番大きな理由は何でしょうか、人への影響(人身事故)なのでしょうか?
A18 ① 樹皮:帯状;ササ m × 1m;枝:半径3m
② 外来種であり、導入後の影響がわからないからです。近年、オオカミ導入対する意識が変わってきたとの調査もあります。
Sakurai et al. (2023)
D O I : 10.1111/cobi.14130 U R L : https://conbio.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/cobi.14130

Q19 ①二ホンジカのルーツの話で、津軽海峡がシカを分けるわけでなく、京都と兵庫あたりに境界があるとの話をされていました。それぞれ二ホンジカの亜種ですが、シカについて日本の分布境界線では、ブラキストン線、三宅線でエゾシカ、二ホンジカ、ヤクシカに分かれるという話を聞きました。先生の話を聞くと、京都以東に住んでいる二ホンジカは西日本に住んでいる二ホンジカよりも、エゾジカに近いということでしょうか? ②知床ではエゾジカの大量死の後に餌資源が豊富になったことにより、クマ等の中型肉食動物の個体数増加はあったのでしょうか? ③明治までは北海道に二ホンオオカミがいたと思います。知床にオオカミを再導入した場合であってもYNPのように、オオカミの個体数がギルド内捕食が行われることで抑制されるため、エゾジカの個体数に大きな影響を与えないのでしょうか? ④死亡数をカウントする際に「小鹿」「雄鹿」「雌鹿」と分けていますが、小鹿と成体(「雄鹿」「雌鹿」)の判断基準は何でしょうか? ⑤シカの個体を間引いて、食肉として販売する場合はその収益は知床の自然の維持管理等に使われるのでしょうか? 間引きを行った際に食肉以外にも他の地域へのリリースや動物園への譲渡等は行われるのでしょうか?
A19 ①はい、エゾシカは北グループに属しています。三宅線はチョウ類の分布境界です。②そのような現象は確認されていません。③講義で紹介しましたが、そもそも、北海道でオオカミがシカの個体数を抑制していたという証拠は得られていません。④小鹿は歯が乳歯であり、1歳未満です。歯の萌出交換による年齢査定については、本日の講義でお話します。⑤知床岬などの遠隔地での捕獲個体については、速やかに搬出できないので、運搬後焼却処分をしています。隣接地域では捕獲個体は業者が引き取り、利活用をしています。利益を知床の自然の維持管理に回す仕組みはありません。

Q20 イエローストーンのオオカミ導入後のシカの観察個体数の変動について、オオカミの個体数変動は調査されているのでしょうか? 2000年ごろにシカの観察数が増加し、再び減少に至る要因には、考察はなされているのでしょうか?
A20 イエローストーンのオオカミについては継続観察されています。
知床岬では、初回の爆発的増加と崩壊後にも、環境収容力が変化せずに、爆発的増加と崩壊が繰り返されてきたということです。洞爺湖中島では雪が少なくてササが消失しましたが、知床岬ではササが積雪で守られてきたのが原因です。

Q25 オオカミの導入について、シカの爆発的増加を抑えることができるというメリットのほうが特に取り上げられている印象だったが、オオカミーシカの二者だけの関係ではない自然においてほかの生物への影響はないのか気になる。
A25 見かけの競争の問題があります。『ワイルドライフマネジメント』第6章参照

Q29 イエローストーンではオオカミ導入からエルクの個体数が一旦減少し、また増加に転じているようですが、その後の対策は何か取られているのでしょうか?
A29 人為的な対策は取られていないと思います。

Q6 個体数の増加とともに植生への影響が大きくなること(樹皮剥ぎ、ササ群落の衰退など)をご紹介していただきましたが、異なる地域間でもこのようなシカの増加による植生の変化で同じ傾向を示すのでしょうか? もしそうなら、これはどれくらい管理に活かされているのでしょうか?
A6 最初に現れる変化が下層植生、次いで枝葉の消失による採食ラインで、このようなパターンは他地域でも認められます。シカの増加が植生へ与える影響を早期に把握することができれば、後手ではなく先手の管理が可能となります。ですが、多くの場合、誰の目からみてもひどい状況になってから対策が打たれるので、後手になります。

Q7 江戸時代には今よりもシカが多かったが高山植物は無くなっていない、というお話がありました。これはシカは高山帯には進出していなかったということでしょうか? ここ数年、体感ではありますが比較的標高の高い山岳地域でもシカや足跡、食痕を多く見かけるようになったと感じています。最近のシカの高山帯への影響等に関する知見はありますでしょうか?
A7 江戸時代(昭和の半ばごろまで)は山麓部から高山帯まで、シカを捕獲していたため、高山帯に侵出できたシカはあまりいなかったと思います。
ニホンジカによる植生への影響が顕著な11の国立公園(知床、阿寒、釧路湿原、尾瀬、日光、中部山岳、箱根、南アルプス、阿蘇くじゅう、霧島錦江湾、屋久島)では、環境省により、生態系維持回復事業計画が策定され、植生回復のためのシカの管理が実施されている。これらの国立公園の多くが、高山帯に位置している。

Q8 知床のシカは1970年頃に阿寒の方から入ってきたとの事ですが餓死する前に阿寒の方に移動しなかったのでしょうか?食物を求めての移動はどうなっているのでしょう?
A8 シカは定着性が強いので、地域の植生を食い尽くしても移動することはありません。

Q9 海外諸国の野生動物管理方法の事例や比較をわかりやすく示した日本語や英語の文献がありましたらご教授ください。今回のイエローストーンやノルウェイの事例は日本との比較でとても興味深く聴き、学べることも多いように感じました。ご編著の『野生動物管理のための狩猟学』の「第3章 海外の狩猟と野生動物管理の事例」は読んだことがあります。
A9 以下が参考になると思います。
『ワイルドライフマネジメント』第6章 世界の野生動物の管理の歴史ー自然を管理するということ。第6回の講義で紹介します。
以下の本が参考になります。
鷲谷いづみ 監修・編著/梶 光一・横山真弓・鈴木正嗣 編著 (2021) 『実践 野生動物管理学』培風館
梶光一・小池伸介編 (2015) 『野生動物の管理システム クマ,シカ,イノシシとの共存をめざして』KS地球環境科学専門書,講談社,
Bruce D. Leopold, James L. Cummins, Winifred B. Kessler eds,( 2018)North American Wildlife Policy and Law, the Boone and Crockett Clubs

Q10 知床岬のシカとヒグマの管理はどう共存を図って管理されていますか?
A10 知床岬のシカは植生へのインパクトを軽減し、平方キロ5頭未満で維持することを目的としています。ヒグマについて、知床岬では人為的な管理を実施していません。

Q11 ①頂点捕食者の生態学的役割が明らかになるにつれ、捕食リスクによる恐れの景観が植生を保護していたと指摘されていると思います。この点で、Q1.現在の個体数を指標としたシカ管理において植生の保護を行うことは可能なのでしょうか? それとも、本の中でも紹介されていました、cromsigt et al (2013)の「恐れの狩猟」といった、管理手法にも注目するべきだとお考えですか? ②この場合、植生の回復や維持をシカ管理の指標にするべきでしょうか?
A11 ①先に紹介した飯島氏の論文によれば、捕食者はシカの長期変動には影響を与えていなかったようです。恐れの景観があったとすれば、人が居住してイヌを放し飼いしていたことがあげられます。現在では、この手法を用いることができません。狩猟の疑似的な行為による恐れは効果がないとも指摘されていますので、実際に絶えず、捕殺を伴う攪乱が恐れを持続するうえでは重要です。ですが、この方法ではシカの警戒心を高めるのでシカの捕獲が困難になります。行動が変化して、夜間にだけ出没するようになります。②シカの管理は植生回復のため、低密度で維持することは不可欠です。

Q12 洞爺湖中島と知床で大きな環境の違いとして、①ヒグマを始めとする他の大・中型哺乳類の存在、②他の区域への移動の可不可があると思います。これらの要因によって中島、知床のシカの間で個体数変化や生態で大きく違いが出る点はあるのでしょうか?
A12 知床岬では①ヒグマや他の中型哺乳の捕食効果は限定的、②定住性が高い。これらの条件によって、洞爺湖中島との個体群動態の差は顕著ではないとおもいます。大きな違いは、講義でふれたように、冬期気象(積雪深と気温)と生息地の草原の規模だと考えています。

Q13 1980年代〜2000年代にかけて、知床岬のエゾシカの雄の比率が低下したにも関わらず、子連れ比率が殆ど低下しなかったのは、エゾシカが一夫多妻制をとるからでしょうか? そのほか、雄が少なくなっても出生率を維持できる理由はありますか?
A13 生息数の増加によって、雌の妊娠率は影響を受けなかったことが子連れ率の低下が生じなかった原因です。ただし、晩冬から春にかけて厳しい冬に小鹿がたくさん死ぬので、子連れ率は低下します。ですが、翌年にはまたたくさんの子供を出産します。また、ご指摘のようにエゾシカは一夫多妻のため、雄が少なくても出生率は維持できます。

Q15 ノルウェーで、狩猟や野生動物の資源利用が盛んであるのは、文化や伝統、宗教などに起因するところもあり、日本がそのまま参考にできない部分もあるかと思います。そういった中でも、日本でも狩猟動物の資源的価値を高めたり、市場で出回ったりするようになるにはどういった施策が必要であるとお考えでしょうか?
A15 日本でも縄文時代から1万年くらいはシカ・イノシシを食べてきました。これらを食べる文化が失われたのは近年の100年くらいです。奪った命は無駄にしないでいただくというのがSDBsにかなうという考え方を広める必要があると思います。
農水省は、ジビエを促進するためにジビエ認証制度やジビエハンター育成を行っています。
農林水産省HP「国産ジビエ認証」
https://www.maff.go.jp/j/nousin/gibier/ninsyou.html
農林水産省HP「ジビエハンター研修」。
https://www.maff.go.jp/j/nousin/gibier/gibier_hunter.html

Q16. シカの食害が進んでいくと最終的には、シカが採食しないハンゴンソウ群落が拡大するとのことですが、ハンゴンソウまで植物が遷移した場合、その先の植生の変化はあるのでしょうか? それとも多様性が失われたハンゴンソウ群落のままでしょうか?
A16. ハンゴンソウ群落のままになります。このように遷移がとまってしまうことを退行遷移と呼びます。

Q17. イエローストーンの自然調節システムの中に先住民の文化と生活様式が組み込まれていたのではないか、という仮説は、農家や農閑期に狩猟を行う現業者が減少している日本は同じ状況と見なせるのでしょうか?
A17. イエローストーンの先住民と日本の農家の生態系における役割は異なります。イエローストーンの生態系のなかに、先住民による火入れと狩猟が組み込まれていたことによって生態系の多様性が保たれていましたが、日本では農民が農地を獣害から防ぐために駆除を行っていました。

Q21 中島の個体群の栄養失調による小型が、いわゆる「島嶼化」の正体なのでしょうか? また、移入初期における中島の雄鹿の体サイズは知床と比較して大型でしたか?
A21 はい、爆発的増加と崩壊後にみられた、洞爺湖中島のシカの小型化は「島嶼化」のプロセスを示していると考えています。 中島の雄ジカは、日高起源で、知床のオスジカよりは小型です。

Q22 エゾシカの性別ごとの死亡率が異なった理由は何でしょうか? 死亡率の推定において行動の変化や検出確率の影響は考慮されているのでしょうか? ボトムアップ効果とトップダウン効果どちらも重要であることは確かだと思いますが、結局シカやエルクの個体数にはボトムアップ効果とトップダウン効果のどちらが大きな影響を与えていたのでしょうか?
A22 死亡率の性差については前出。知床岬での死体探索はシステマチックに実施しており、平坦地で見晴らしもよいので、検出確率の問題はありません。ですが、体の小さな小鹿では分解速度が速く、見落とすかもしれません。シカの個体数変動には、餌資源もある程度はきいていたでしょうが、人間による狩猟活動によるトップダウン効果が一番大きかったでしょう。Iijima et al. 2023  The Holocene, 2023, 33.6: 718-727.

Q23 初歩的な質問ですが講義内で、ベルトトランセクト法を改良して。とあるがどのような改良をしたのでしょうか? また調査手法を色々開発していますが、どうやって開発しその手法の妥当性などはどのようにして把握しているのでしょうか?
A23 原典のアルダス法は枝の被覆度と利用度を調べる方法でしたが、それを改善して、樹皮(帯状区)とササ(方形区)を設置したところが改良点です。手法の妥当性は査読付き論文して公表しています。

Q24 北海道のシカの増加は、北海道の生物多様性を危うくしている状況でしょうか? 環境収容密度は、今何%ぐらいでしょうか?
A24 大雪山高山帯でのシカの密度や食害に対する定量的なデータはありませんが、最近は大雪山の高山植物にもシカの採食の影響が現れ出しているようで、関係者は危惧しています。北海道全体での環境収容力に対する相対密度についてはわかりません。

Q26 従来の人によるシカの個体数管理が重要だった事がわかりましたが、 人による狩猟は自然死の場合とはまた違った、多少の選別(性比など)が行われるのではないかと思います。 そういう選別があっても、適切な個体数の管理ができていたという事でしょうか?  むしろ今後の個体数管理でも、オスあるいはメスを優先的に…などある程度の狩猟対象の選別は必要なのでしょうか? ②シカの針葉樹の利用は少ないでしょうか? 本州のシカの樹皮はぎは針葉樹が多かったように思いましたが、地域の植生やその集団の嗜好性により、大きく変わってくるものなのでしょうか?
A26 ①捕食者は、体の弱った若齢個体と老齢個体を選択的に捕獲するのに対し、人は繁殖期の体の大きな雌雄を捕獲するため、シカの個体数成長に与える影響が捕食者より大きいと考えられています。シカは貴重なたんぱく源だったため、そうとう高い捕獲圧がかかっていたと想定されます。今後、個体数を減少させるためには、成獣雌を選択的に捕獲していく必要があります。②北海道では、イチイを除き、あまり針葉樹の樹皮剥ぎはありません。嗜好性は場所によって異なります。

Q27 長期間の採食を受けた自然植生はシカの数が減っても回復しないということでしたが、この状態から回復するには具体的にどのような手法を行うのかお聞きしたいです。
A27 前出 A4

Q28 鹿の間引きについて、親子でとる、オスのみとるなどの条件はあるのでしょうか?
A28 前出

Q30 最近はモニタリング手法として環境DNAの調査がよく聞かれますが、シカやヒグマに関して実験などは行われているのでしょうか?
A30 陸上の動物の在・不在にも環境DNAは利用されています。

Q31 自然調整にゆだねた結果、植生破壊が生じるのを防止するための、長期にわたる個体数管理の手法は捕獲による人為的管理ですか?
A30 はい、捕獲による人為的管理が必要です。

Q32 北海道は他県や国よりも先進的に、野生動物保護管理を推進出来たのは何故なのでしょうか? 当時、北海道以外の他地域でも同様に野生動物保護管理が注目されて推進されている時代だったのでしょうか? また当時の予算確保などはどのようにしていたのか? また現在も同様に予算を確保できているのでしょうか?
A32 第4回講義で少し説明します。

Q33 知床岬のエゾシカは現在は、人的管理は継続されているのですか?
A33 継続されています。
知床データセンター(環境省)で知床での活動を知ることができます。
新しいサイトはこちら: https://shiretokodata-center.env.go.jp/

Q34 自然は、時間とともに変化していてどのような状態の自然を目指して管理するのでしょうか? 産業革命以後、人間が自然界にあたえる影響が非常大きくなっている為、人が自然と共生でき更に生物の多様性を実現する手法はあるのでしょうか?
A34 不確実な情報に基づきながらも、モニタリングをもとに状況に応じて管理方針を変更する順応的管理があります。順応的管理では、現状における生態系の理解を「仮説」として明確に定義、管理の実行は、この仮説から生じる予測を検証するための「実験」とみなします。

Q35 クマが指定管理鳥獣になるとの決定が出ましたが、先生はどのような意見をお持ちでしょうか?
A35 クマ類が指定管理鳥獣に指定されることによって、都道府県の捕獲、被害防除や生態調査に国の交付金が支給されることによって、対策が進むことは良いことだと考えています。これを契機に多くの自治体がモニタリングに基づくクマ類の管理が進むことを願っています。

以上

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