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京都の高校の研修旅行で、ヒグマに関するワークショップを行いました!

2024年3月4日、研修旅行で知床を訪れた京都市立西京高校の1年生33人を対象に、当財団でヒグマとの共存を考えるワークショップを開催しました。

西京高校生が研修旅行で知床を訪れるのは4回目。これまで観光や流氷などさまざまなテーマでワークショップを開催してきましたが、昨年は全国でクマの出没が相次いだこともあり、これらを身近な問題として捉えてきた生徒さんからの希望で、知床におけるヒグマとの共存をテーマとしました。

研修旅行に備え、1月にはZoomを使った事前学習を行いました。当財団の中川元・業務執行理事からヒグマの生態や知床での課題についての講義を行い、ウトロ地区の住民である一般社団法人知床しゃりの高木唯さんには、住民目線でヒグマと共存することの意味などをお話いただきました。生徒さんにはそれらを踏まえて、「新しく学んだこと・明確になったこと」、「具体的な『ヒグマとの共存のかたち』」を理由とともに考えてもらいました。

当日は知床自然センターで、知床財団でヒグマ対策を担う伊集院彩暮さんのお話を伺ったり、ヒグマと人との課題を描いた映像作品「THE LIMIT」を鑑賞したり、ヒグマ対策用ゴミステーション「とれんベア」について説明を受けたり、現地でさらに理解を深めました。その後のワークショップでは事前に提示していた問いに改めて向き合い、スライド修正などに取り組みました。

プユニ岬から接岸中の流氷を眺めました。生徒さんは前日に流氷ウオークを体験したそうです。
知床財団の伊集院さんから、2023年の大量出没の状況などをお聞きしました。
自然センター裏のヒグマ対策ごみステーション「とれんベア」について説明しました。


最終的な発表では、「共存と共生の違い」や「クマ問題は人と人の問題である」など今回の学習を通じて新たに学んだことのほか、「共存のかたち」として「人とヒグマのすみわけ、相互不干渉が大事」、「観光資源の側面もあり、完全な不干渉は無理」など、さまざまな意見が出ていました。「それはどんな方法で?」「それってどういうこと?」など、生徒さん同士でディスカッションする場面もあり、学習を通じて当初よりも「ヒグマと人との共存」の解像度が上がったのではないかと思います。最後に中川業務執行理事と、事前授業でお世話になった高木さんからコメントをいただき、ワークショップは無事終了しました。皆さん、本当にどうもありがとうございました!

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