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【知床コラム】第5回:タンチョウの秋

【知床コラム】では、当財団の業務執行理事・中川元が、季節ごとにさまざまな表情を見せる知床の自然情報などをお伝えします。第5回は「タンチョウの秋」についてです。

夕暮れのデントコーン畑で餌をついばむタンチョウ(2017.10.24)

3日前の10月24日、知床半島基部の畑に2羽のタンチョウがいました。例年この時期にはデントコーン畑の刈り取り跡で餌をついばむ姿が見られます。知床でタンチョウが普通に見られることはあまり知られていませんが、斜里町と小清水町の町界にある沼と、その周辺の湿地や畑で、春から秋にかけてよく見られます。6年前にはここで繁殖が確認され、秋には幼鳥をつれたつがいが畑で餌をついばんでいました。今年の秋は幼鳥の姿は見られず、繁殖しなかったのでしょう。

タンチョウは世界遺産登録地内の海岸部や知床五湖などでも観察されています。ただ、春の一時期の観察例が多く、半島部での繁殖は未だ確認されていません。観察されるのは移動途中に一時期滞在している個体かもしれません。

幼鳥をつれたタンチョウのつがい(2011.10.28)

絶滅危惧種でもあるタンチョウですが、長年の保護対策が効果を上げて近年生息数が増加しています。かつては釧路・十勝・根室地方に限られていた繁殖地も、最近はオホーツク管内や道北でも確認されるようになりました。知床周辺でも新しい繁殖地が見つかる可能性があります。

オホーツク地方のタンチョウは初冬までに姿を消し、南の釧路地方などで越冬します。先日見られたタンチョウも11月には山脈を越えて釧路方面へ移動すると思われます。

 

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