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斜里高校混合ゼミ(知床・自然ゼミ)を担当しました!

地元・斜里高校の混合ゼミの授業が3月15〜17日の3日間に行われ、当財団が知床・自然ゼミを担当しました。

混合ゼミとは、ドローン、アートなど地域の方々が講師となるいくつかのゼミが開講され、生徒さんが興味関心に沿ってそれぞれのゼミに参加し、ディスカッションや体験活動を行う通常授業とは違った形態の授業のこと。ESD(持続可能な開発のための教育)の推進、SDGs(持続可能な開発目標)の理解、地域資源を活用し、地域と一緒に学ぶことなどが目的となっています。

今回、当財団が担当した知床・自然ゼミには1、2年生17人が参加。「私たちが残したい、伝えたい流氷の価値」をテーマに、講義やフィールドワーク、ワークショップを行いました。

初日(15日)はまず、船木研究員から今回のゼミを通して斜里高生のみなさんに考えてもらいたい点を伝えました。その後中川業務執行理事より、知床の生態系と流氷の役割、流氷と海・川・森のつながり、自然保護や地元産業から流氷の価値と知床の未来を考える講義を行いました。講義の後はそれぞれのチーム名を決定。その後講義の中で印象に残ったことを生徒たちに次々と書き出してもらい、全体で簡潔に共有しました。

2日目(16日)は、知床蜃気楼・幻氷研究会の佐藤トモ子さんに講師をお願いし、高校からバスで10分ほどの以久科原生花園に移動。流氷はすでに去り、蜃気楼を確認することはできませんでしたが、双眼鏡を使って海岸から網走方面、知床半島方面を観察し、蜃気楼や幻氷を見るときのポイントなどを学びました。

その後知床博物館に移動し、映像展示室で佐藤さんによるミニ講演を行いました。佐藤さんが蜃気楼研究を始めたきっかけや、日本の中でも斜里町はとても蜃気楼の発生回数が多いこと、上位蜃気楼(幻氷)・下位蜃気楼(逃げ水など)という蜃気楼の種類とその発生のメカニズムなどを解説いただきました。

最後に知床博物館で開催中の蜃気楼・幻氷写真展を見学しました。斜里やその周辺で撮影された蜃気楼の美しい写真や映像を眺め、佐藤さんからも景色がバーコード状になっていることに注目してみてください、とアドバイスをいただきました。

最終日(17日)は今回のゼミのまとめとして「私たちが残したい・伝えたい流氷の価値」をテーマにワークショップを行いました。初日と2日目の講義や体験をふまえ、各チームで付箋を使ったアイデア出し、ディスカッション、スライド作りと進めました。

価値についての議論は、食物連鎖を支えるプランクトンやクリオネの存在、観光資源など、流氷だけでなく、流氷に関連する様々なものが挙げられました。それらを残していく・伝えていく具体的な取り組みとして、youtubeによる海のない内陸国への発信、子供向けの「流氷雪合戦」、クリオネの販売、二酸化炭素排出抑制のための電気自動車の普及など、地元目線でありながら、柔軟な発想から生まれたアイディアをたくさん聞くことができました。斜里高校の皆さんどうもありがとうございました!

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