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応援メッセージをいただいています①

当財団では6月10日〜8月8日の間、知床ネイチャーキャンパスの安定的な継続開催のため、「READY FOR」にて「野生生物との共生を|知床ネイチャーキャンパスの継続を皆さまと共に!」と題したクラウドファンディングを実施しています。

クラウドファンディングの挑戦に際して、力強い応援メッセージをいただきました。「READY FOR」ページの新着情報に掲載しておりますが、こちらのブログにもまとめて掲載いたします!

中村太士(北海道大学大学院農学研究院教授)

野生動物管理や生態系管理が、今ほど重要な時はないと思います。この分野をリードする専門的・実践的能力を有したエキスパートが、大自然あふれる知床、そしてネイチャーキャンパスから誕生することを心より願っています。がんばってください!

【中村太士先生のプロフィール】
生態系を河川の「流域」の視点から研究する第一人者。2005年日本森林学会賞、2009年生態学琵琶湖賞、2011年尾瀬賞、2012年みどりの学術賞、2017年日本農学賞、読売農学賞、2018年北海道科学技術賞、紫綬褒章受賞(章)。国際誌Geomorphology, Earth Surface Processes and Landforms, Oxford Bibliographies (Oxford University Press) などの編集委員や、日本森林学会会長、日本生態学会代議員、応用生態工学会副会長などを歴任。中央環境審議会、国土審議会、社会資本整備審議会委員、釧路湿原自然再生協議会会長など各種審議会等の委員としても活躍中。主著に『流域一貫:森と川と人のつながりを求めて』築地書館、『森林の科学:森林生態系科学入門』(共編著)朝倉書店、『川の蛇行復元:水理・物質循環・生態系からの評価』(編)技報堂出版、『森林と災害』(共編)共立出版、 『河川生態系の調査・分析方法』(共編)講談社など。当財団の設立以来、専門委員を務めていただき、知床ネイチャーキャンパスには2016年の第1回から講師として参画いただいています。

濱崎伸一郎(株式会社野生動物保護管理事務所=WMO代表取締役)

先日、年一回開催している会社の総会(社員全員で野生動物管理や会社の方向性などについて議論する場)があり、今後の課題について2日間をかけて議論したところです。その中でも専門的な知識、技術、経験を有する人材育成が社内外で必要との声が多く上がり、その重要性を痛感しています。会社としても個人としても知床ネイチャーキャンパスの継続を支援させていただきます。また、いずれはWMOの社員も知床の雄大な自然の中で受講させていただき、仕事のモチベーションアップに役立てられたらと考えています。

【濱崎伸一郎さんのプロフィール】
東京農工大学獣医学科卒。「豊かな自然と感動を未来に、人と野生動物の明日を想い今を創造する」を理念として創業し、野生動物を保護するためのシステムづくりに取り組む㈱野生動物保護管理事務所(WMO)に学生時代から調査スタッフとして参加。ツキノワグマとニホンジカなどの調査研究に長年携わり、大学卒業後そのままWMOに入社した。野生動物保護管理(Wildlife Management)という言葉が馴染みの薄かった時代から、長年その実務に携わっているエキスパート。環境省の特定鳥獣保護管理検討会検討委員、日本哺乳類学会哺乳類保護管理専門委員会委員なども務める。WMOは70名以上の専門スタッフを擁し、全国各地で野生動物に関するモニタリングをはじめとする調査、分析、研究や被害対策、都道府県による特定計画の策定補助などを行っている。


松田裕之(横浜国立大学教授・Pew Marine Fellow) ※写真右端

世界遺産知床は、自然植生復元のためのシカの試験捕獲、クマと人と漁業の共存、政府の規制でなく漁協の自主的な禁漁区拡大により漁場を含めて世界遺産登録を認められた、世界でも稀有なところです。観光船とケイマフリの共存も成功事例として受け継がれています。これらは様々な関係者が課題の本質を精査し、アイデアを語り合い、関係者と議論し、真摯かつ大胆な行政がいて実現したものです。それは他の保護区などの参考事例としても波及し、2008年にはユネスコIUCN使節団からも「ほかの世界遺産のモデル」と褒めていただきました。しかし、まだまだ課題は生まれています。政府だけでなく町や市民が遺産を支える姿をみて、新たな未来を共に考えていきませんか。

【松田裕之さんのプロフィール】
京大大学院生物物理学専攻博士課程を修了後、日本医科大助手、九大理学部助教授、東大海洋研究所助教授などを経て、2003年から横浜国立大学大学院教授。専門は進化生態学、保全生態学、水産資源学、環境リスク管理。日本で初めて「順応的野生動物管理」を北海道エゾシカ保護管理計画に適用したことや、漁民の自主的禁漁区拡大を提案して知床の世界自然遺産登録の実現に大きく寄与。現代の野生生物保護管理の理論的支柱として、強烈な存在感を放つ。個体群生態学会会長、日本生態学会会長、東アジア生態学会連合会長、個体群生態学会会長などを歴任されたほか、日本MAB計画支援委員会委員長として活躍。主著に『「共生」とは何か』(現代書館)、『環境生態学序説』『生態リスク学入門』(共立出版)、『なぜ生態系を守るのか』(NTT出版)、『海の保全生態学』(東大出版)など。

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