【シレトコってどんなトコ?】第1回:世界自然遺産について
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【シレトコってどんなトコ?】では、知床の特徴や地域資源などの情報を地元目線でお伝えします。第1回は世界自然遺産についてです。
■なぜ登録されたの?
知床は2005年7月、南アフリカ・ダーバンで開催された第29回世界遺産委員会で、世界自然遺産に登録されました。それから今年(2017年)で早12年。ではそもそも、知床がなぜ世界自然遺産に登録されたか知っていますか?
世界自然遺産の評価基準(クライテリア)には、(1)自然美(2)地形・地質(3)生態系(4)生物多様性の4つがあり、この中の一つ以上を満たす必要があります(自然美を含む場合は二つ以上)。知床は知床連山やオホーツク海、根室海峡など雄大な景観が有名なので(1)自然美かな?と思われる方もいるかもしれませんが、認められたのは(3)生態系と(4)生物多様性の2つでした。
世界遺産委員会で評価された知床の生態系。知床は北半球における流氷の南限であり、そこからもたらされる恵みが海から陸へとつながっていることが特徴です。
流氷がもたらす大量のプランクトンがさまざまな海洋生物を育み、サケやカラフトマスが海から川を遡り、ヒグマやオジロワシなどの大切な餌となります。食べ残された魚もキツネなどが糧とし、最後は土に還って森の栄養分となります。このような「海と森の生命のサイクル」が、知床の生態系の大きな特徴です。
現在日本に4つある世界自然遺産(屋久島、白神山地、知床、小笠原諸島)の中で、登録基準に生物多様性が認められたのは実は知床だけ。シマフクロウやシレトコスミレなどの希少種、サケ科魚類、トド、クジラ、海鳥類などにとって、知床は重要な生息地であることが大きく評価されました。
このような自然環境を次代に受け継いでいくため、知床では行政や住民が一緒になってさまざまな課題に取り組んでいます。海の生物多様性維持と漁業活動の両立、サケ科魚類遡上のための河川工作物改良、エゾシカ対策、エコツーリズム戦略・・・など分野は多岐にわたります。そこに関わる「人」の存在も知床の魅力の一つであり、教育フィールドとしての価値を高めているのではないでしょうか。
参考:日本の世界自然遺産(環境省ホームページ)
http://www.env.go.jp/nature/isan/worldheritage/info/index.html
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