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知床ネイチャーキャンパス・リカレント2022のオンライン講義を実施しました
2022年2月5日(土)、6日(日)の2日間、社会人向けの教育プログラム「知床ネイチャーキャンパス・リカレント2022」のオンライン講義を実施しました。
世界自然遺産登録にあたって知床が取り入れた科学的保護管理システムの構築と実践をテーマに、さまざまな角度から10人の講師に講義をいただきました。全体的なシステム構築の経緯、基本となる順応的管理の考え方、海域管理、エゾシカやヒグマの管理、河川工作物改善による生態系復元、エコツーリズムや利用と保護の関係・・・と盛りだくさんの内容でした。
今回の受講生は、北海道から沖縄まで全国各地の42人。国立公園管理や野生生物保護管理に携わる行政職員、N P O、団体職員、環境コンサルタントなどの民間会社の方、地域おこし協力隊や観光関係者の方など、様々な職種の方にご参加いただきました。当日はZoomのチャット機能を使い、講師と受講生の活発な質疑応答がなされたほか、受講生同士の質問のやり取りも。通常の業務では知り得ない深い知識を得られた、実践的な内容で手法や考え方が参考になった、などの声もいただきました。
この講義を受けて、6月には現地実習・演習を行います(募集はすでに締め切っています)。現場を歩いて管理の実際を学び、演習(ワークショップ)では適正利用に関する計画の作成・発表を予定しています。新型コロナウイルスの収束を願い、受講生の皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
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知床ネイチャーキャンパス・リカレント2022
オンライン講義
2022年2月5日(土)〜6日(日)
☆プログラム内容
【第1部 知床の保護管理体制】
1-1 知床世界遺産登録につなげる管理体制の立ち上げ
1-2 知床世界遺産地域管理体制の現況
【第2部 科学的保護管理システムの構築とその理論】
2-1 管理体制構築と科学委員会の果たした役割
2-2 モニタリングと順応的管理
2-3 知床エコツーリズム戦略と合意形成システム
【第3部 科学的保護管理の実際と現地業務の展開】
3-1 エゾシカ個体群管理による植生回復
3-2 河川工作物の改善による生態系復元
3-3 ヒグマと利用者・住民のマネジメント
3-4 利用調整の実際と資源価値・満足度の向上
【第4部 総合質疑とディスカッション】
4-1 総合質疑とディスカッション
☆講師
◎渡辺 綱男さん 1-1
自然環境研究センター上級研究員・元環境省自然環境局長
◎渡邊 雄児さん 1-2
環境省釧路自然環境事務所ウトロ保護官事務所・国立公園保護管理企画官
◎桜井 泰憲さん 2-1
北海道大学名誉教授・知床世界自然遺産地域科学委員会委員長
◎松田 裕之さん 2-2
横浜国立大学大学院環境情報研究院教授・知床世界自然遺産地域科学委員会海域WG委員
◎敷田 麻実さん 2-3
北陸先端科学技術大学院大学教授・知床世界自然遺産地域科学委員会適正利用エコツーリズムWG座長
◎宇野 裕之さん 3-1
東京農工大学大学院農学研究院特任教授・知床世界自然遺産地域科学委員会エゾシカ・ヒグマWG座長
◎中村 太士さん 3-2
北海道大学大学院農学研究院教授・知床世界自然遺産地域科学委員会河川工作物AP座長
◎石名坂 豪さん 3-3
公益財団法人知床財団 主任研究員・博士(獣医学)
◎秋葉 圭太さん 3-4
公益財団法人知床財団 公園事業推進プロジェクトリーダー
◎梶 光一さん 第4部コーディネーター
東京農工大学名誉教授・知床世界自然遺産地域科学委員会委員