【知床コラム】第1回:春を告げるオシドリと福寿草
【知床コラム】では、当財団の業務執行理事・中川元が、季節ごとにさまざまな表情を見せる知床の自然情報などをお伝えします。第1回は春を告げるオシドリと福寿草についてです。
オシドリ。羽の鮮やかなオス(上3羽)と地味なメス(下1羽) 2017年4月22日
深い雪に埋もれていた知床横断道路の除雪が終わり、今日(2017年4月28日)開通しました。横断道路の開通と共に春の知床観光がスタートします。一方、自然の世界は既に春が進んでいます。南からやってきた夏の渡り鳥が姿を見せ、森の中では福寿草が咲いています。知床半島基部を流れる川には巨大に成長する川魚イトウがのぼり、川面にはオシドリが姿を見せます。オシドリは美しい羽毛でよく知られています。夏の知床の森で繁殖し、渓流や知床五湖などで見られますが、早春の一時期は平野部の小川で小群が羽を休めています。
オシドリはアイヌ語で[チライ・マチリ]と呼ばれていました。[チライ]はイトウの意、イトウと泳ぐ鳥です。福寿草は[チライ・アパッポ]、イトウの花、イトウの来たことを知らせる花です。雪が消え川の氷が落ちた早春の川と林、まだ色のない世界に最初に春を告げるのがオシドリと福寿草です。
参考資料 更科源蔵・更科光著「コタン生物記I〜III」(法政大学出版局、1976.1977)
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