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京都市立西京高校の研修旅行で、知床学習をサポートしました!
京都市立西京高校の2年生42人が知床へ研修旅行に訪れ、当財団が10月12日の知床学習のプログラムを担当しました。今年の春頃から生徒さんや先生とZoomでミーティングを重ね、質問や要望を受けながら進めたプロジェクト。無事に旅行が実施され、私たちもホッとしました。(換気や消毒など、新型コロナウイルスの感染対策をしっかりとった上で行いました)
まずは元斜里町長の午来昌さん(当財団評議員長)の講演です。ウトロの農家に生まれ、自然との関わりや町長として知床の世界自然遺産登録に尽力した話を中心に、「夢と希望を持ち、諦めないで前に進んで」と生徒さんにメッセージを送りました。
その後、中川元・業務執行理事が知床の概要についてお話し、いざ知床五湖へ。実際に地上遊歩道を歩き、観光客とヒグマの軋轢回避や利用の質向上のために2011年から導入されている「利用調整地区」のシステムを学びました。
昼食をはさんで、午後はウトロ市街地を流れるペレケ川へ。わずかではありましたがサケの遡上を観察でき、ヒグマ侵入防止のための電気柵を見学しました。
ヒグマと観光客や地元住民との関係を座学やフィールドワークで学び、最後はワークショップです。「ヒグマの人慣れを食い止めるためには」というテーマで、班ごとにディスカッション。ヒグマ見たさに道路脇に車が連なる「ヒグマ渋滞」、過度にヒグマに接近する一部のカメラマンのマナーの悪さなど、知床では現在進行形でヒグマと人間の共存を脅かす問題が発生していますが、今回は人慣れについて多角的な視点で議論し、その進行を食い止める解決策を考えてもらうことを目的としました。
短い時間の中で各班とも活発な議論を行ってパワーポイントを仕上げ、さまざまなアイデアが発表されました。ヒグマの生態から嗅覚や聴覚に訴える案、人間側の意識向上や周知方法を工夫する案、そもそも共生とは何か?という根本的な問いに立ち戻って考えた班もありました。
生徒さんたちには知床で感じたこと、考えたことを、今後の学校生活でも生かしてもらえたらうれしいです。ハードなスケジュールでしたが、皆さんお疲れ様でした!