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カムイワッカ湯の滝への道路が開通 利用と保全の両立目指す取り組み

6月1日、知床を代表する秘湯「カムイワッカ湯の滝」へと続く道道知床公園線(知床五湖〜カムイワッカ間)が開通しました。知床五湖との分岐からカーブが続く山道を11キロほど進んだ先にある湯の滝は、知床硫黄山の中腹から湧き出る温泉が川に流れ込み、沢登りのように川を歩くことができる人気の観光スポットです。

カムイワッカ湯の滝カムイワッカ湯の滝

道道の今年の開通期間は6月1日〜10月3日。そのうちお盆期間(8月7日〜16日)と10月1〜3日はマイカーの乗り入れが規制され、シャトルバスが運行されます。お盆期間は毎年混雑解消のために行われてきたものですが、10月の運行は、知床自然センターより先の観光スポットに行くためにマイカーからシャトルバスに乗り換えてもらう社会実験の2年目となります。

社会実験は、環境省や斜里町などでつくる「知床国立公園カムイワッカ地区自動車利用適正化対策連絡協議会」が、昨年10月2〜4日に初めて実施しました。「知床オータムバスデイズ」として、自然ガイドがバス内で知床の解説をしたり、マナーやルールを周知したりし、3日間で延べ3,068人が乗車しました。道に出てくるヒグマ見たさに路上駐車が続く「ヒグマ渋滞」の解消など、知床の利用と保全の両立を目指す取り組みで、アンケートでは気軽に利用できた98%、環境にやさしいと感じた91%などと、利用者からも概ね好評だったようです。

知床オータムバスデイズチラシ昨年(2020年)の知床オータムバスデイズについて

またカムイワッカ湯の滝は、現在落石の恐れがあるため、一の滝までしか立ち入りできませんが、今後ガイド同伴など安全対策を行った上で、2005年以前のように滝上部への立ち入りが検討されています。環境保全や野生動物との共存、安全対策などさまざまな課題がある中で観光利用との両立が模索され、地域の価値を高めるための取り組みが進められています。
(事務局・竹川)

参考
知床データセンター 令和2年度第2回適正利用・エコツーリズム検討会議資料
http://shiretoko-whc.com/meeting/riyou_kaigi/r02_02.html

知床自然センター公式サイト カムイワッカ湯の滝
https://center.shiretoko.or.jp/guide/kamuiwakka/

知床斜里町観光協会ブログ カムイワッカ湯の滝 6/1(火)開通
https://blog.shiretoko.asia/2021/05/61103.html

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