【シレトコってどんなトコ?】第10回:知床のサケ
ひさびさの「どんなトコ?」シリーズ。今回は「サケ」についてです。
今、知床はサケ定置網漁の最盛期。ウトロ漁港の「鮭テラス」では毎朝サケの水揚げ風景を見ることができます。川を上るサケ・マスの観察シーズンでもあり、知床博物館では特別展「鮭と川と人と」が開催中です。
斜里町は市町村別サケ漁獲量で17年連続して日本一を続けています。同じ知床沿岸の羅臼町と標津町もベスト5に入っており、知床の海は文字通り日本一のサケの漁場といって良いでしょう。
ウトロ漁港・鮭テラスから見るサケの水揚げ
サケは知床の自然を象徴する生物でもあります。知床が世界自然遺産に登録された理由の1つは海域と陸域が連続した特異な「生態系」。流氷がもたらす海の豊富な養分を陸域に運ぶ役割を持っているのが、サケ科の魚類です。8月からカラフトマスが、9月からはサケ(シロザケ)が川を遡ります。産卵を終えて弱ったサケはヒグマの餌となり、オジロワシやオオワシの餌となります。食べ残しや糞は土に還り、森の養分になります。海と陸のエネルギー循環にサケの仲間達は重要な役割を果たしているのです。
知床博物館特別展「鮭と川と人と」会場
知床のサケ漁は11月下旬まで続きます。最近は全道的にサケ定置網漁の不漁が続いており、知床も例外ではありません。日本に戻ってくるサケが減っていることや、地球温暖化の影響が危惧されています。
知床の自然生態系を支え、地域を支える資源として重要な役割を果たしているサケは、環境の変化にも敏感です。このシーズン、是非サケの姿を身近に見ていただき、環境保護・資源保護を考える機会にして下さい。
ウトロ鮭テラスの見学案内や鮭に関するイベントは
https://www.shiretokosalmon.com
知床博物館特別展「鮭と川と人と」は10月7日〜12月20日まで開催中。
http://shiretoko-museum.mydns.jp/calendar/calendar
11月8日(日)には知床博物館特別講演会「鮭の現在と未来」も開催されます:講師は帰山雅秀さん、卜部浩一さんほか