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【ワイルドライフマネジメントNews】野生動物管理のあり方が検討されます

日本学術会議が「野生動物管理のあり方」について検討を行うことになりました。これは先月(2018年6月14日)、環境省自然環境局長から日本学術会議(山極壽一会長)への審議依頼があったものです。

http://www.scj.go.jp

依頼内容は「人口減少化社会における野生動物管理のあり方の検討に関する審議」です。

当財団の活動の中でも繰り返し紹介してきたとおり、全国各地で野生動物問題が起こっています。増えすぎた動物による農林業被害や外来種問題、絶滅危惧種の保護など、これらの課題解決が急務になっています。高齢化と人口減少が著しく、担い手のいない地方では早くからこの問題に直面していますが、最近では都市部でも野生動物問題が頻発するようになりました。しかし、我が国の野生動物管理(ワイルドライフマネジメント)は上手く機能していません。現状を把握し、計画を立て、実行に移し、結果をフィードバックするという、科学的なマネジメントの確立が重要です。しかし、そのシステムは確立しておらず、特に担い手の不足が大きな課題です。学術会議に依頼された検討内容は、科学的野生動物管理システムの構築であり、その担い手のあり方や、人材養成システムについてでした。

http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-24-180614shingi.pdf

当財団は、野生生物の保護管理の専門職、野生生物と人間社会との共存を実現する人材育成を行う高等教育機関の設立を目指しています。知床という恵まれた教育フィールドを活用し、現場教育のカリキュラムの策定と教育機関のあり方を検討してきました。実践活動として「知床ネイチャーキャンパス」を2016年から開催し、カリキュラム策定にも生かしてきました。これらの成果が、今回の学術会議の審議や、今後の政策検討に少しでも役立てばと考えています。そして全国各地に専門的人材が配置され、野生動物問題の解決と、持続的な地域作りの核となって活躍する日が来ることを願っています。

 

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