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【シレトコってどんなトコ】第6回:しれとこ100平方メートル運動

【シレトコってどんなトコ】では、知床の特徴や地域資源などの情報を地元目線でお伝えしています。第6回は、しれとこ100平方メートル運動についてご紹介します。

しれとこ100平方メートル運動開始当初のパンフレットなど

■キャッチフレーズは「しれとこで夢を買いませんか」

しれとこ100平方メートル運動をご存知ですか?地元の方や知床ファン、自然保護に詳しい方はよくご存知だと思います。知床国立公園内の開拓跡地を原生の森に戻そうと、1977年に斜里町が始めた運動で、今年節目の40周年を迎えました。

時は高度経済成長期。土地投機がブームとなった後、知床の開拓跡地にも乱開発の危機が迫っていました。そこで当時の藤谷豊・斜里町長が考案したのが、しれとこ100平方メートル運動です。イギリスのナショナルトラスト運動を参考に、土地の買い取りと植樹費用として、全国から一口8,000円(100平方メートル分)の寄付を募りました。キャッチフレーズは「しれとこで夢を買いませんか」。人々の環境意識が高まりつつあった時代、運動はマスコミに大きく取り上げられたことで全国に広まり、賛同者から多額の寄付が寄せられました。

運動地内の散策路「森づくりの道 ホロベツルート」。往復1キロ、約1時間のコースで森づくりの様子を観察できる

■「土地を守る」から、「森を育てる」へ

20周年を迎えた1997年、当初の募金目標の約5億2,000万円を達成し、2010年には100%の土地の買い取りが終了しました。買い取った土地は、東京ドーム100個分に相当する471ヘクタール。97年からはそこで森づくりや生態系の復元を主眼においた活動が始まっています。具体的には多様な樹種が入り混じる針広混交林の育成、かつて運動地やその周辺の川に多くいたサクラマスが戻ることを目指した調査や放流、運動を次世代に伝えていくための知床自然教室など多岐にわたります。

増えすぎたエゾシカがもたらす植生被害など、知床の環境変化に試行錯誤しながら、現在も斜里町や知床財団の職員が日々現場業務にあたっています。2005年に知床が世界自然遺産に登録された際には、この運動に代表される地元の活動が大きく評価されました。

現在までの運動参加者は約6万8,000人。さまざまな人が運動に携わり、知床の森を大事に思ってきました。原生の森に戻すためには、100年、200年の時間がかかります。この40年で時代は大きく変わりましたが、この先も多くの人の思いで運動が支えられていくことでしょう。

運動の概要を紹介している「しれとこ100平方メートル運動ハウス」

参考資料
辰濃和男編著「よみがえれ知床 100平方メートル運動の夢」(朝日新聞出版、2010)

しれとこ100平方メートル運動について

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