観光シーズンに入った知床と「クマ渋滞」
2016/10/03
今年のゴールデンウイーク、季節外れの積雪がスタートでしたが、後半は天気にも恵まれ、たくさんの観光客で賑わった知床です。そして発生したのが「クマ渋滞」。地元では一般的になった言葉ですが、「何のこと？」と思われる方も多いでしょう。道路沿いにいるヒグマを見るために、車を止めることで起こる交通渋滞、それが「クマ渋滞」です。車から降りて観察する人、近づいて写真を撮る人、これは大変危険な状態でもあります。いつ不測の事態=人とヒグマとの接触=が起きるかわかりません。ヒグマの追い払いや普及啓発を担う知床財団のヒグマ対策チームが、この現状を危機感を持って報告しています。
http://www.shiretoko.or.jp/report
知床では道路沿線にヒグマが見られることは珍しくなくなりました。「車から絶対に出ない」「速やかに車を移動する」ことは、訪れる人の最低のマナーです。写真を撮るために近づくなど、もってのほかです。このような経験を積み、人慣れしたヒグマは後々までトラブルを引き起こす可能性があります。ヒグマと人間との「一定の距離を保った関係」を維持することが、楽しく安全に自然を楽しむための鉄則です。これから新緑の季節を迎え、知床は最も美しく快適なシーズンを迎えます。知床へ来られる皆さんは「ヒグマのすみかにお邪魔する」気持ちを忘れずに、楽しい自然体験をなさって下さい（中川元）。
知床自然センター：情報提供や利用ルールの普及活動、レクチャ-等を行っています。ヒグマ情報もこちらへ。今年4月に館内リニューアルしました。知床へ来たら是非お立ち寄り下さい。