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斜里町議会が鉛弾全国規制の意見書を国に提出

2016/10/03

今年3月の斜里町議会で、鉛弾の使用・流通や所持の規制を求める意見書提出が可決され、内閣総理大臣と環境大臣に提出されることになりました。オジロワシやオオワシの鉛中毒は、エゾシカ捕獲数が増加した1990年代後半に急増し、年間20羽以上の死体が確認されました。発見される死体は死亡したワシのごく一部と思われることから、かなりの数が鉛中毒死していたと考えられます。ワシは狩猟後解体処理され放置されたたシカの残滓も餌にしています。鉛中毒は肉と一緒に鉛の破片を飲み込むことによって発症し、死亡します。北海道では2000年からエゾシカ猟で鉛ライフル弾の使用が禁止され、2004年からは口径の大きい鉛散弾の使用を含む全ての大型獣の狩猟で鉛弾の使用が禁止されました。しかし、鉛中毒の発生は続き、昨年10月から道の条例によって鉛弾の所持も禁止されました。でも鉛中毒は無くならず、この半年間ですでにオオワシ3羽の鉛中毒死が確認されています。狩猟シーズンには全国からハンターが北海道にやってきます。鉛中毒の根絶には、道内だけでなく全国的な鉛弾規制が必要です(中川元)。

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