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クマ活講座に参加してきました!

2021年12月4日(土)、斜里町ウトロの北こぶし知床ホテル&リゾートで行われた「クマ活講座」の講演に、事務局・竹川が参加しました。クマ活とは、北こぶしリゾートがCSR活動として行っている「知床のクマを守る活動」のこと(9月に当財団が開催したオンライントークセッションのスピーカーを務めていただいた村上晴花さんが中心になって進められています)。今回はその一環として、酪農学園大学の佐藤喜和教授による講演と、ワークショップが開催されました。
クマ活講座

ヒグマ研究者である佐藤喜和教授は、今年7月、市街地へのクマ出没が相次ぐ背景などを分析した『アーバン・ベア となりのヒグマと向き合う』を出版されました。今回の講座でも、ヒグマの市街地出没の現状や背景、これからのヒグマ管理などについてのお話がありました。

アーバン・ベア となりのヒグマと向き合う

佐藤教授は、ヒグマ出没が相次ぐ札幌市の場合、札幌生まれのヒグマたちは周囲に車や人がいる環境が当たり前になっていること、繁殖期には子殺しすることもあるオスを避けるため、母仔グマが、人がいる環境を利用し滝野すずらん丘陵公園などに出没することなどを紹介。また市街地を囲むように緑地を整備し、河川に沿って市街地まで緑をつなげる「みどりのネットワーク」という都市計画も、出没の原因の一つと指摘されていました。河畔林などの自然の豊かさが増すことで、そこを利用する野生動物が増え、ヒグマ出没の原因となってしまうのは何とも難しい問題だと感じます。

今後のヒグマ管理については、クマと人の生活圏を分ける「ゾーニング」と、正しい知識や対策を身につけるための「普及啓発」が重要と解説。さっぽろヒグマ基本計画知床半島ヒグマ管理計画でも、ゾーニングの考え方が管理の基本とされています。

佐藤教授は知床でも1980~90年代にヒグマの市街地侵入が問題になり始め、今北海道で起きていることが知床では先んじて起きていたことを指摘されていました。最近でも羅臼町内の住宅に隣接している倉庫に出没したヒグマが駆除されたニュースがありました。札幌のみどりのネットワークとも共通しますが、知床国立公園の自然が豊かであればあるほど、市街地や農地への出没が増える可能性があります。

ヒグマ知床ネイチャーキャンパス2017の実習中、バス車内から撮影した知床のヒグマ

改めてヒグマ管理の現場で対策に取り組まれている方々に敬意を表したいと共に、現状や対策を多くの人に伝える努力をしていきたいと感じました。当財団でも知床ネイチャーキャンパスを始め、さまざまな事業でヒグマと人の共存を学ぶ、考える場を提供し、野生生物保護管理の人材養成につなげていければと考えます。(事務局・竹川智恵)

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